中小企業白書のデータ(令和7年度中小企業診断士1次試験用)

一次試験

中小企業経営・中小企業政策の試験で前半に問われるのは、中小企業白書などの各種データの内容です。中小企業診断士試験で出題される対象となるのは、試験の前年度の中小企業白書(令和7年度:2025年度の試験であれば、令和6年:2024年度の中小企業白書)が中心となります。

大企業と中小企業の差異

大企業と中小企業(および、そのうち小規模企業者)の、企業数や従業者数、そして付加価値額については試験の頻出論点です。これらは割合の他に実際の数値が問われることもあるので覚えておきましょう。ただし、○割や○万人など大まかな数値のみ覚えておけば良いです。以下、令和6年:2024年度の中小企業白書目次・事例一覧・コラム一覧・凡例、11ページにあるデータをもとに作成したものです。

上記の通り、中小企業の企業数は全体の99.7%と圧倒的に多く、また、従業者数も全体の約7割となっており日本の雇用を大きく支えている一方、付加価値額5~6割にとどまっていることから、生産性改善など効率化が求められていることがわかります。

産業別データ

産業別の状況を問う問題も頻出論点です。以下、令和6年:2024年度の中小企業白書付属統計資料をもとに作成したものです。データがたくさん載っていますが、最新年度のデータのみ確認すれば十分ではないかと思われます。また、業種については特に「建設業」「製造業」「情報通信業」「卸売業」「小売業」「宿泊・飲食サービス業」を確認しておきましょう。代表的な指標についてまとめたものを載せておきます。代表的な業種について、すべて大きい順に並べています。

産業別規模別企業数(2021年)

企業数が最も多いのは「小売業」で、「建設業」、「宿泊・飲食サービス業」がそれに続きます。グラフの通り、2位の「建設業」と3位の「宿泊・飲食サービス業」は僅差です。

普段、街中で「小売店」や「飲食店」を多く見かけることからも、この2業種の企業数が多い点はイメージしやすいでしょう。また、「建設業」の多さを意外に感じるかもしれませんが、これは「一人親方」に代表される個人事業主が多く含まれていることが要因ではないかと考えます。

 中小企業数(社)
小売業527,138
建設業424,976
宿泊・飲食サービス業424,543
製造業335,552
卸売業202,432
情報通信業55,174

産業別規模別従業者数(2021年)

中小企業で従業者数が一番多いのは「製造業」です。製造業は、製品の企画、生産、加工、組立、品質管理といった多くの工程で人手を要する労働集約的な側面を持っており、多くの雇用を生み出していることが分かります。

 従業者数(人)
製造業6,185,371
小売業4,462,594
宿泊・飲食サービス業3,401,140
建設業3,339,900
卸売業2,455,090
情報通信業1,209,580

産業別規模別売上規模(2020年)

中小企業の売上高は「卸売業」が最も多くなっています。「企業数」では「小売業」や「宿泊・飲食サービス業」が上位でしたが、「売上規模」では「卸売業」がトップとなります。これは、卸売業が主に企業間取引(BtoB)を手掛け、一件あたりの取引額が大きくなるためと考えられます。一般の消費者が直接関わる機会は少ないため意外に感じられるかもしれませんが、経済全体で見ると非常に大きな金額を動かしている産業であることが分かります。

 売上規模(億円)
卸売業1,603,275
製造業1,519,822
建設業853,829
小売業792,676
情報通信業284,788
宿泊・飲食サービス業151,554

産業別規模別付加価値額(2020年)

付加価値額では「製造業」が2位以下を大きく引き離してトップとなっており、次いで「建設業」が続きます。「『モノづくり』を行う業種が付加価値額の上位に来る」と整理して覚えておくと良いでしょう。

ここで特徴的なのは、売上規模ではトップだった「卸売業」が、付加価値額では3位であることです。これは、卸売業は取引額(売上)が大きい一方、商品を仕入れて販売する事業形態のため、付加価値は相対的に小さくなります。 対照的に、製造業や建設業は、原材料や資材に技術や労働力を投下して製品・建造物を造り上げるため、付加価値が高くなるのではないかと考えます。

 付加価値額(億円)
製造業316,543
建設業183,009
卸売業145,177
小売業134,032
情報通信業86,102
宿泊・飲食サービス業47,500

中小企業の経営指標

最後に、令和6年:2024年度の中小企業白書付属統計資料をもとに中小企業(法人企業)の経営指標(2022 年度)についてもまとめておきます。それぞれ、主な業種について大きい順に並べてあります。学習のポイントとしては、それぞれの指標で最も高い業種と最も低い業種を押さえておくと良いでしょう。

特に注目すべきは「宿泊・飲食サービス業」です。この業種は、多くの指標で両極端な位置にあり、その特徴は試験でも問われやすいポイントです。

  • 最も低い指標: ROE、売上高利益率、総資本回転率(製造業と同率で最下位)、自己資本比率
  • 最も高い指標: 財務レバレッジ、付加価値額比率

このような特徴は、宿泊・飲食サービス業が「自己資本に乏しく借入への依存度が高い」という財務体質、そして「付加価値に占める人件費の割合が高く労働集約的である」という事業構造を持つことを示しています。