ライン生産方式

一次試験

ライン生産方式は、特定の製品を連続して大量に生産する「連続生産」に適した生産形態です。作業が標準化されているため、経験の少ない作業員でも習熟しやすく、生産コストを低減できる利点があります。その一方で、生産する品目や数量の変更に柔軟に対応しにくいという側面も持ちます。

このライン生産方式の工程を管理・評価するために、いくつかの重要な指標が用いられます。

工程管理を行うためにいくつかの指標が用いられ、試験で問われることがあります。

サイクルタイム (タクトタイム)

製品を1つあたり、どれくらいの時間で完成させる必要があるかを示す時間です。顧客の要求するペース(タクト)に合わせて生産するための目標時間となります。ピッチタイムとも呼ばれます。

\(\text{サイクルタイム}(\text{時間/個}) = \frac{\text{期間中の総稼働時間}(\text{時間})×\text{生産計画日数}(\text{日})}{\text{期間中の総生産計画数量}(\text{個})}\)

【例】 1日の稼働時間が8時間、月間の稼働日数が20日、月の生産計画が1,600個の場合、以下のように、6分に1個のペースで製品を完成させる必要があります。

総稼働時間 = 8時間/日 × 20日 = 160時間
サイクルタイム = 160時間 / 1,600個 = 0.1時間/個 ( = 6分/個)

最小作業ステーション数

目標とするサイクルタイムを達成するために、理論上、最低限必要となる作業場所(作業ステーション)の数です。

\(\text{作業ステーション数} = \frac{\text{全工程の作業時間の合計}}{\text{目標サイクルタイム}}\)

【例】全工程の合計作業時間が40分で、目標サイクルタイムが8分の場合、最低5つの作業ステーションが必要となります

最小作業ステーション数 = 40分 / 8分 = 5

ライン編成効率

生産ラインの各工程に、作業時間がどれだけムダなく割り当てられているかを示す指標です。この数値が高いほど、各工程の作業負荷のばらつきが少なく、手待ち時間の少ない効率的なラインであることを意味します。

\(\text{ライン編成効率} = \frac{\text{全工程の作業時間の合計}}{\text{工程数 × サイクルタイム}} = \frac{\text{各工程の平均作業時間}}{\text{サイクルタイム}}\)

バランスロス率

ライン編成効率と補完的な関係にある指標で、手待ち時間がどれくらい発生しているかを示します。編成効率が低い(=ばらつきが大きい)ほど、この値は大きくなります。

\(\text{バランスロス率} = 1 – {\text{ライン編成効率}} \)