【令和5年(2023年) 事例Ⅳ】第2問(設問2・3) CVP分析 解説

事例Ⅳ

今回は令和5年(2023年)の第2問を取り上げ、CVP分析の問題について、どのような思考プロセスで解答に至るのかを具体的に解説します。(あくまでも、「私ならこのように解答する」という参考例として記載していますので、その旨ご承知おきください。)

前回に引き続き、設問2・3について解説します。

問題の確認

令和5年(2023年)の問題はこちらに掲載されています。

問題文の確認

この設問2では、貢献利益と事業継続判断について問われています。こちらも設問1同様、細かい条件がありますので注意が必要です。特に「売上高」そのものではなく「売上高の増加額」を問われている事には十分注意して計算しましょう。(なお、私自身、本試験で「売上高」を答えてしまったという苦い経験があります。)

また、設問3では売上高のみで共通固定費を配布することの妥当性についてを問う記述問題になっています。通常、記述問題は第4問など後半にまとめて出題されますが、こちらの記述問題についても答えられない内容ではないので、見落とさないようにしたいです。

以下は、設問文のポイントを落とさないように記載するマークの例です。

解答案

設問2について

問題の概要

  • 目的:X製品が営業赤字であるため、その販売中止を検討しています。X製品を中止した場合、代替製品はなく、個別固定費の80%が回避可能であり、Y製品へ一部需要が移動すると予想されています。
  • 問われていること:
    • (1) X製品の販売を中止すべきか否かについて、その理由を20字以内で説明することが求められています(ただし、正誤表により「需要の移動がないとき」という条件が追加されています)
    • (2) X製品の販売を中止した場合に、現状の営業利益合計2,500万円を下回らないために、Y製品の売上高は最低いくら増加する必要があるかを計算すること

基本的な考え方

(1)貢献利益が正であるか否かを確認して、正(黒字)であればその製品の販売を継続するべきであるという内容を答えます。

(2)現在の営業利益は2,500万円であるため、X製品の貢献利益分をY製品で賄えれば、目標である営業利益2,500万円になると考えます。これを計算すると、

  • 必要とされるY製品の売上高増加分 = X製品の販売中止による利益減少額

具体的には、

  • Y製品の売上高増加額 × Y製品の限界利益率 = X製品の貢献利益

となります。

具体的な計算

  • (1)X製品を販売中止した場合の利益減少額(=貢献利益)を求めます。
    • 貢献利益 = 限界利益20,000 – 個別固定費15,000×0.8 = 8,000万円
    • 貢献利益は黒字であるため共通費の一部をまかなえている状況であり、X製品を中止すると全社利益は減少することがわかります。
  • (2)Xを中止した際にそれをまかなう事ができるYの売上高増加額を求めます。
    • Yの限界利益率=限界利益4,000÷売上高10,000=0.4
    • Yの売上高増分×限界利益率0.4=Xの貢献利益8,000
    • よって、Yの売上高増加分は20,000万円

解答

(1) X製品の販売を中止すべきでない

理由:貢献利益がプラスで、共通費回収に貢献しているため。

(b) 20,000(万円)

Xの貢献利益と等しくなるYの売上高増加分を計算する
Xの貢献利益=限界利益20,000-個別固定費15,000×0.8=8,000万円
Yの売上高増加分S×Yの限界利益率0.4=Xの貢献利益8,000万円
より、S=20,000万円

設問3について

問題の概要

  • 状況: D社が売上高を基準に共通費を製品別に配賦している状況が提示されています
  • 問い: この会計処理の妥当性について、80字以内で自身の考えを述べることが求められています

基本的な考え方

まず、妥当性の有無を端的に述べてから、そう考える理由を述べます。売上高基準で共通費を配布するのは、基本的には妥当性が低いため、80文字という文字制限に近づけるように具体例などを交えて記載する必要があります。

解答

売上高基準で配布するのは妥当性が低い。理由は、売上高と共通費の直接的な関連性が低く、労働時間や生産量などより関連性の高い基準の方が正確に費用管理できるためである。

本日は、以上となります。

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