【令和5年(2023年) 事例Ⅳ】第2問(設問1) CVP分析 解説

事例Ⅳ

今回は令和5年(2023年)の第2問を取り上げ、CVP分析の問題について、どのような思考プロセスで解答に至るのかを具体的に解説します。(あくまでも、「私ならこのように解答する」という参考例として記載していますので、その旨ご承知おきください。)

この第2問は、設問1と設問2・3とでは問題の性質が異なるため、分けて解説します。

問題の確認

令和5年(2023年)の問題はこちらに掲載されています。

問題文の確認

この設問では、与件文にある損益計算書(P/L)の内容を使用して高低点法と呼ばれる方法で変動費率と固定費を計算します。(1)で求めた変動費率の数値をその後の計算で使うことや、千円未満を四捨五入する指示など、計算自体が正しくても条件を見落とすと失点につながる条件が多くみられますので、十分注意して解きましょう。

以下は、設問文のポイントを落とさないように記載するマークの例です。

解答案

設問1について

問題の概要

  • 目的: D社の直近2期間の財務データに基づいて、CVP分析を行い、収益性を分析すること
  • 計算内容
    • (1) 変動費率を求める
    • (2) 固定費を求める
    • (3) 令和4年度の損益分岐点売上高を計算する
    • (4) 令和3年度と令和4年度の損益分岐点比率の変動を計算する(低下した場合は△を付す)

基本的な考え方

P/LからR3年度とR4年度の売上高と営業利益がわかるため、「高低点法」を使って、以下のような考え方で連立方程式を立てて解いていきます。

  • R3年度の売上高×(1-変動費率)-固定費 = R3年度の営業利益
  • R4年度の売上高×(1-変動費率)-固定費 = R4年度の営業利益

なお、はじめに(1)の変動費率を求めたら、次にR4年度の式に代入して固定費を算出します。高低点法では、使用するデータ(この場合は令和3年度か4年度か)によって、算出される固定費に若干の差異が生じることがあります。次の(3)でR4年度の損益分岐点売上高を計算することから、固定費もR4年度のものを算出すべきと考えます。

具体的な計算

  • (1)変動費率を求める
    • 変動費率をα、固定費をFCとおく。
    • R3年度:売上高5,796,105×(1-α)-FC=営業利益985,027
    • R4年度:売上高4,547,908×(1-α)-FC=営業利益527,037
    • 以上を計算すると、1,248,197×(1-α)=457,990
    • α≒0.633079となります。これをパーセント表示(63.3079…%)にし、問題文の指示通り小数点第3位を四捨五入すると、63.31% となります。
  • (2)固定費を求める
    • (1)の結果をR4年度の式に代入する
    • 4,547,908×(1-0.6331)-FC=527,037
    • FC≒1,141,590(千円)
  • (3)損益分岐点売上高を求める
    • 損益分岐点売上高=固定費1,141,590÷(1-変動費率0.6331) ≒3,111,447(千円)
  • (4)損益分岐点比率の増減を求める
    • R3年度:損益分岐点比率=(損益分岐点売上高3,111,447÷売上高5,796,105)×100≒53.6817%
    • R4年度:損益分岐点比率=(損益分岐点売上高3,111,447÷売上高4,547,908)×100≒68.4149%
    • R4年度-R3年度≒14.73

解答案

(1) 63.31%

(2) 1,141,590(千円)

(3) 3,111,447(千円)

(4) 14.73

本日は、以上となります。

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