今回は令和元年(2019年)の第2問を取り上げ、CVP分析の問題について、どのような思考プロセスで解答に至るのかを具体的に解説します。(あくまでも、「私ならこのように解答する」という参考例として記載していますので、その旨ご承知おきください。)
問題の確認
令和元年(2019年)の問題はこちらに掲載されています。
問題文の確認
まずは、問題文から確認しましょう。この問題は設問1~3の3問で構成されています。まず初めにD社の各事業のセグメント単位の売上高、変動費、固定費、セグメント利益が掲載されています。

以下は、設問文のポイントを落とさないように記載するマークの例です。

これを受けて、(設問1)は各事業と全社の変動費率を求めるのみの簡単な問題なので、計算や四捨五入の間違えをしないように注意して解きます。(設問2)は損益分岐点売上高の計算と記述問題です。「(設問1)の回答を利用して」という設問要求を見逃さないように注意が必要です。(設問3)は、問題文が長く条件が入り組んでいるように見えますが、一つずつ整理すれば確実に得点できる問題です。また、計算過程も求められているためポイントを押さえて記載する必要があります。
解答案
設問1について
変動費率を計算します。単純な割り算ですので正解率が高いと予想されますし、この後の設問で利用する数値になるため、計算機の押し間違えや、四捨五入の位を間違えをしないように細心の注意を払います。
- 建材事業部 (4,303 ÷ 4,514) × 100 ≒ 95.33%
- マーケット事業部 (136 ÷ 196) × 100 ≒ 69.39%
- 不動産事業部 (10 ÷ 284) × 100 ≒ 3.52%
- 全社(連結ベース) (4,449 ÷ 4,994) × 100 ≒ 89.09%
解答
| 建材事業部 | 95.33% |
| マーケット事業部 | 69.39% |
| 不動産事業部 | 3.52% |
| 全社 | 89.09% |
設問2について
(a)では、損益分岐点売上高を計算します。公式に当てはめるだけですが、「(設問1)の回答を利用して」、「百万円未満を四捨五入」という設問要求に注意して解答します。
- 損益分岐点売上高 = 固定費474 ÷ (1 – 0.8909) ≒ 4344.638百万円
(b)では、全社の損益分岐点分析で利益計画を立案する問題点が問われていると考えて、事業構造が違うのにも関わらず全社の分析のみでは合理性を欠くという内容でまとめます。30字の制限があり、それほど深い内容を問われているわけではないため端的にまとめるだけで良いと思います。
解答
(a) 4,345百万円
(b) 事業構造に差異が大きく全社のみでの分析では合理性が欠ける事
設問3について
設問1,2に比べると複数の条件があげられており、複雑な問題の印象を受けますが、纏めると以下の様な条件になっています。
- 次期に目標としている全社的な経常利益は250百万円である
- 不動産事業部の損益は不変である
- マーケット事業部の売上高が10%増加することが見込まれている
- 建材事業部の売上高が不変であることが見込まれている
- 建材事業部の変動費率を求める
加えて、「(設問1)の回答を利用して」、「%表示で小数点第3位を四捨五入」という設問要求にも注意します。
基本的な考え方
- 各事業部のセグメント利益の合計 - 共通固定費= 全社の利益
という考えを利用して、各事業部のセグメント利益から計算します。
利益の計算には、
- 売上高 × (1 – 変動費率) – 固定費 = 利益
という式をベースに解きます。
具体的な計算
- 不動産事業部
- 損益は不変なのでセグメント利益=244百万円
- マーケット事業部
- 売上高10%増加
- セグメント利益=売上高196×1.1×(1-変動費率0.6939)-固定費101=-35.00484
- 建材事業部
- 変動費率をαとする
- セグメント利益=売上高4,514×(1-α)-固定費323
- 全社
- 全社利益250 = 不動産事業部利益244+マーケット事業部利益-35.00484+建材事業部利益4,514×(1-α)-323-共通固定費20
- 以上より1-α = 384.00484÷4,514 ≒ 0.085070なので、α≒0.91493
解答
(a) 91.49 %
(b)
建材事業部の次期変動費率をαとすると、セグメント利益は売上高4,514×(1-α)-固定費323と表せる
また、不動産事業部は不変なので244、マーケット事業部は売上高10%増加により-35.00484と予想されるため、全社の目標利益250百万円とすると、
244 – 35.00484 + 4,514×(1-α) – 323 – 共通固定費20 = 250
より、α = 0.914930
本日は、以上となります。


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