中小企業診断士2次試験(事例Ⅳ)意思決定会計について

事例Ⅳ

2次試験(事例Ⅳ)では投資効果の是非(意思決定会計)の問題が頻出論点となっています。一般にはいくつかの手法がありますが、2次試験では回収期間法と正味現在価値法(NPV)を押さえておくだけで良いと考えます。

特にNPVを問われる問題は、問題における条件が多く完全に解答するのは難しいため、時間不足になり着手すらできない受験生が多いのですが、それだけに計算過程を書く部分などは、一般的な内容でも良いので、何か記載しておくと、部分点が得られる場合があるようです。

回収期間法

投資額を何年で回収できるかを計算する方法です。回収期間法は計算が簡単直観的にとらえやすいメリットがある一方、投資額の時間的価値(今日の100円は明日の100円より価値があるという考え方)を考慮していない点や、回収後のキャッシュフローが考慮されていない点がデメリットとして挙げられます。

投資によって得られるキャッシュフローが毎年一定額であれば、以下の様に計算できます。

回収期間(年) = 投資額 ÷ 毎年得られるキャッシュフロー

また、キャッシュフローが一定でなければ以下の様に計算します。(公式化して覚えるのは難しいので、具体例で示します。)

例えば100万円の投資に対して、1年目50万円、2年目40万円、3年目20万円のキャッシュフローがえられる場合、

2年目終了時点での回収残額 = 100万円 – 50万円 – 40万円 = 10万円…①
より、
回収期間=2年 + ①10万円÷3年目のキャッシュフロー20万円 = 2.5年

正味現在価値法(NPV)

将来得られるキャッシュフローを、その投資のリスクなどを考慮した割引率(資本コスト)を使って現在の価値に換算し、初期投資額と比較することで、投資の価値を正確に評価する手法です。割引後のキャッシュフローから投資額を引いた値を正味現在価値(NPV:Net Present Value)といいます。算出されたNPVが0より大きい(プラスになる)場合、その投資案は企業価値を高めるため有利であると判断します。

NPV(円)= 割引後のキャッシュフローの合計額 – 投資額

  • なお、割引額は通常、「利子率○%のときの原価係数」などという形で問題文に与えられます。例えば、利子率5%の時の現価係数として以下の様な表が与えられた場合、割引後のキャッシュフローの合計は以下の様に計算します。
1年2年3年
現価係数0.9520.9070.864

割引後のキャッシュフローの合計額 = 1年後のCF×0.952 + 2年後のCF×0.907 + 3年後のCF×0.864

以上を踏まえて、これから、概ね2日に1回のペースで、令和元年以降の意思決定会計の問題を解説していきたいと思います。

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