今回は、意匠権を解説していきます。

意匠権
意匠権は、工業上利用できるデザインを保護するための権利です。物品の形状、模様、色彩はもちろん、インターネット上の画面デザインや建築物の外観、内装のデザインなども保護対象となります。
保護期間
保護期間は、出願日から25年です。
出願から登録までの流れ
- 実用新案出願
- 意匠の内容を記載した願書等を特許庁に提出します。
- 「図面」が必須となります。
- 審査
- 出願されたすべての意匠について、「方式審査」「実体審査」が行われます。
- 査定・応答
- 拒絶理由がない場合はそのまま「登録査定」となります。
- 拒絶理由がある場合は出願者に「拒絶理由通知」が送られます。
- 「拒絶理由通知」を受け取った出願者は、原則として40日以内に意見書を提出して反論したり、図面を補正したりすることができます。
- 公報掲載
- 登録査定となった衣装は設定登録料を納付することで意匠権が発生します。
- 登録された意匠は、意匠公報に掲載され、公開されます。
権利の行使
意匠権者は、自身の登録意匠やそれに類似する意匠を無断で製造・販売などしている者に対し、その行為をやめさせる「差止請求」や、受けた損害の賠償を求める「損害賠償請求」を行うことができます。
意匠権は実体審査を経て登録されているため、警告などの特別な手続きは不要で、権利発生後すぐに行使することが可能です。
関連意匠
一つのデザインコンセプトから生まれたバリエーションのデザイン(例えば、あるスマートフォンの基本デザインと、その派生モデルのデザインなど)をまとめて保護するための制度です。本意匠(基本となる意匠)の出願日から10年を経過する日までに限り出願できます。関連意匠の権利期間は、本意匠の出願日から25年です。
同一日出願の扱い
同一の日に同一の意匠について二以上の出願があったときは、各出願人が協議をして定めた一の特許出願人のみが、意匠権を受けることができます。
もしその協議が成立しないとき、又は協議をすることができないときは、いずれの出願人もその意匠を登録することはできません。

