小売業において、仕入れた商品をいかに効率よく収益へ繋げるかは極めて重要です。この効率性を感覚だけに頼らず、客観的な数値で分析・評価するための手法を見ていきます。
商品投下資本粗利益率(GMROI)
GMROI(Gross Margin Return on Investment)は、在庫(商品)への投資がどれだけの粗利益を生み出したかを測るための指標です。
一般的な利益率指標であるROI(資本利益率)は、以下のように、事業全体への投下資本に対する利益を示します。

それに対して、GMROIは「商品(在庫)」に限定して収益性を評価する点に特徴があります。
GMROIは以下の式で算出されます。分母の年間平均在庫高は、販売価格ではなく原価で計算する点に注意が必要です。

これにより、GMROIは以下の2つの指標の掛け算で表せることがわかります。
- 売上総利益率: 商品自体の収益性(儲ける力)
- 商品投下資本回転率: 在庫の効率性(商品をさばく力)
つまり、GMROIを高めるには、利益率を上げるか、在庫の回転を速める必要があります。一般的に、高価格帯の商品を扱う専門店は前者(高い利益率)を、日用品などを扱う最寄品店は後者(速い在庫回転)を重視する戦略をとる傾向があります。
交差比率
GMROIが原価ベースの商品在庫高をもとに分析しているのに対し、売価ベースの商品在庫高で分析する方法もあります。これを交差比率と呼びます。GMROIとは全く違う呼称で戸惑いますが、計算方法は原価か売価かの違いのみでそれ以外は同じです。

値入率
値入額とは、小売業で使われる言葉で、仕入原価と売価の差額を表します。

この値入額が売価に占める割合を値入率といい、以下の式で計算されます。

なお、最後の式は以下の通り導出されます。

