生産管理で覚えるべきキーワードはたくさんありますが、普段使い慣れていない人にとっては、どれがどれだかわからなくなり、混乱を招くことがあります。代表的なものをいくつか見ていきます。
QCD
Quality(品質)、Cost(コスト)、Delivery(納期)の頭文字をとったものです。生産管理の基本的な考え方であり、これらのバランスを最適化することが求められます。ただし、すべての要素を同時に最優先することは現実的ではありません。状況に応じて優先順位を明確にすることが重要です。
3M、4M、5M
生産活動を構成する基本的な要素です。
- 3M: Man(人)、Machine(機械)、Material(材料)
- 4M: 3Mに Method(方法) を加えたもの
- 5M: 4Mに Measurement(測定・検査) を加えたもの
PQCDSME
生産管理が目指すべき6つの目標を示したものです。QCDは前述したものと同じです。
- P: Productivity(生産性)
- Q: Quality(品質)
- C: Cost(コスト)
- D: Delivery(納期、数量)
- S: Safety(安全性)
- M: Morale(士気、働きがい)
- E: Environment(環境)
特に、S、M、Eの部分は、試験などで他の単語(例:SをSecurityなど)に置き換えられ、その正誤を問う問題が出題されやすいため、正確に覚えておくことが重要です。
5S
職場環境の維持・改善に用いられるスローガンです。それぞれのローマ字表記の頭文字 “S” を取っています。
- 整理 (Seiri): 不要なものを捨てること
- 整頓 (Seiton): 必要なものを使いやすいように配置すること
- 清掃 (Seiso): きれいな状態を保つこと
- 清潔 (Seiketsu): 整理・整頓・清掃を維持すること
- しつけ (Shitsuke): ルールや手順を遵守する習慣をつけること
特に「整理」と「整頓」は意味が似ているため、違いをしっかり区別することが重要です。
3S
生産の合理化を目指すための3つの視点です。「5S」と名前は似ていますが全く異なる概念なので注意しましょう。
- Simplification(単純化): 製品や作業の構成要素を減らし、シンプルにすること
- Standardization(標準化): 作業方法、部品、工具などを統一し、誰でも同じ品質で作業できるようにすること
- Specialization(専門化): 特定の作業や製品に特化することで、効率とスキルを高めること
ECRS(イクルス)の原則
業務改善を進めるための4つの視点です。E→C→R→Sの順で検討するのが基本です。
- E: Eliminate(排除): その作業をなくせないか?
- C: Combine(結合): 複数の作業を一緒にできないか?
- R: Rearrange(交換・再配置): 作業の順序や場所を変更できないか?
- S: Simplify(簡素化): もっと簡単な方法でできないか?