経営指標分析とは
経営比率分析は、以下のような切り口で進めていきます。
- 安全性
- 収益性
- 効率性(活動性)
前回の「収益性」に続き、今回は「効率性(活動性)」について取り上げます。企業が経営資源をどれだけ効率的に活用して売上高を上げているかを分析する指標です。こちらも、試験では比較的素直な問題が多く出題されると言えます。
回転率
まずは回転率についてです。企業が保有する特定の経営資源(在庫、売掛金、固定資産など)が、一定期間に何回入れ替わったか(何回転したか)を示す指標です。また、「率」という言葉が使われているにもかかわらず、単位は「%」ではなく「回」となっている点に注意が必要です。
代表的な指標には以下のようなものがあります。
- 棚卸資産回転率(回) = 売上高÷棚卸資産
- (有形)固定資産回転率(回) = 売上高÷(有形)固定資産
- 売上債権回転率(回) = 売上高÷売上債権
- 総資本回転率(回) = 売上高÷総資本
それぞれ、仕入れた商品の期末在庫などの棚卸資産、建物や機械設備、ソフトウェアなどの(有形)固定資産、売上債権、借入金や資本金などの総資本、などの何倍の売上になっているかを示す指標であり、一般的に、回転率の値が大きいほど、その資産が効率的に活用され、事業活動に貢献していると解釈されます。
回転期間
次に、回転期間についてです。これは、企業が保有する経営資源をすべて使い切る(一回転する)までにどのくらいの期間を要するか、という指標です。
代表的な指標には以下のようなものがあります。
- 棚卸資産回転期間(年) = 棚卸資産÷売上高
- (有形)固定資産回期間(年) = (有形)固定資産÷売上高
- 売上債権回転期間(年) = 売上債権÷売上高
- 総資本回転期間(年) = 総資本÷売上高
上記は、年間の売上高を使用しているため、単位は年となりますが、短期的な指標として分析するために回転日数(日)として扱う場合もあります。その場合は、以下のように365日で割られることになります。
- ○○回転日数(日) = ○○回転期間(年)÷365日
また、式からもわかる通り、先に解説した回転率(回)と回転期間(年)は逆数の関係にあります。つまり、この回転期間(回転日数)は、小さい値ほど良い状態を示す指標となります。